エレクトロニクス研究所
基礎知識約40分

抵抗値カラーコード早見表|読み方と覚え方のコツ

抵抗のカラーコード(色帯)の読み方を完全解説。4バンド・5バンドの早見表、語呂合わせの覚え方、実践的な読み取り手順を紹介。カラーコード解読ツール付き。

2026-04-19

抵抗のカラーコード、パッと見て読めますか? 電子工作を始めたばかりの方にとって、抵抗器の本体に巻かれた色帯は暗号のように見えるかもしれません。「茶色と赤色の区別がつかない」「どっちの方向から読むのかわからない」「そもそも色と数字の対応が覚えられない」。こうした悩みは、電子工作初心者の誰もが通る道です。

しかし安心してください。カラーコードの仕組みそのものはとてもシンプルです。基本ルールを理解してしまえば、わずか数秒で抵抗値を読み取れるようになります。

筆者も電子工作を始めた頃はカラーコードに苦労しました。何度も早見表を見返し、語呂合わせを唱え、テスターで確認する日々でした。しかし数十本の抵抗を扱ううちに、主要な色の組み合わせは自然に覚えてしまいました。振り返ると、「よく使う値を先に覚える」「実際に手を動かして確認する」という2つのアプローチが最も効果的でした。この記事では、そんな経験をもとに、カラーコードの読み方を基本から実践的なコツまで一気に解説します。

この記事では次のような内容を取り上げます。

  • カラーコードの基本的な仕組みと歴史
  • 色と数字の完全な対応表
  • 4バンド・5バンド・6バンドそれぞれの読み方
  • 語呂合わせによる覚え方のコツ
  • 電子工作でよく使う抵抗値の早見表
  • 向きの判断方法やテスターでの確認方法

この記事を読み終える頃には、手元の抵抗を見て即座に「これは4.7kΩだな」と判断できるようになっているはずです。早見表は印刷して作業机に貼っておくと便利なので、ぜひ活用してください。

カラーコードの仕組み

なぜ色で表すのか

抵抗器に数字を直接印字すればいいのでは?と思うかもしれません。実際、チップ抵抗(表面実装型)では数字で表記されています。しかし、リード線型の抵抗器は円筒形で非常に小さいため、数字を印字しても取り付け後に読みにくくなります。

カラーコードの歴史は古く、1920年代にさかのぼります。当時の印刷技術では、小さな部品に細かい数字を印字することが困難でした。リード線型の抵抗器は直径数ミリの円筒形をしており、その表面に「4700Ω」のような数字を読める大きさで印刷するのは現実的ではなかったのです。

そこで考案されたのが、色の帯(バンド)で抵抗値を表す方法です。色なら部品をどの向きから見ても確認でき、製造工程でも塗料を巻きつけるだけなので簡単です。さらに、基板に取り付けた後でも、上からでも横からでも色帯が見えるという利点があります。

この規格はRMA(Radio Manufacturers Association、現在のEIA)によって標準化され、現在もIEC 60062として国際規格になっています。100年近く使われ続けている、非常に優れた表記法です。

現代ではチップ抵抗(表面実装型)が主流になりつつありますが、電子工作やプロトタイピングではリード線型の抵抗器がまだまだ現役です。ブレッドボードに差し込んで使えるリード線型は、試作段階では圧倒的に便利だからです。そのため、カラーコードの知識は今でも電子工作の基本スキルとして欠かせません。

基本的な考え方

カラーコードの基本は「色 = 数字」という単純な対応です。0から9までの数字にそれぞれ色が割り当てられており、それらを組み合わせて抵抗値を表します。

抵抗器には通常4本から6本の色帯があり、左側から順番に読みます。最初の2〜3本が「有効数字」、次の1本が「乗数(10の何乗をかけるか)」、最後の1本が「許容差(誤差の範囲)」を表します。

色と数字の対応表

カラーコードの核となる色と数字の対応表です。この表がすべての基本になりますので、繰り返し参照してください。

数字と色の対応

数字 乗数 許容差
0 ×1 (10⁰) -
1 ×10 (10¹) ±1%
2 ×100 (10²) ±2%
3 ×1k (10³) ±0.05%
4 ×10k (10⁴) ±0.02%
5 ×100k (10⁵) ±0.5%
6 ×1M (10⁶) ±0.25%
7 ×10M (10⁷) ±0.1%
8 ×100M (10⁸) ±0.01%
9 ×1G (10⁹) -
- ×0.1 ±5%
- ×0.01 ±10%
なし - - ±20%

覚えるべきポイントは次の3点です。

  1. 数字の対応:黒(0)から白(9)まで、虹の色の順番に近い並びになっている
  2. 乗数:数字と同じ色を使い、「10の何乗か」を表す。茶(1)なら10¹=×10、赤(2)なら10²=×100
  3. 許容差:金(±5%)と銀(±10%)が最もよく使われる。茶(±1%)は高精度抵抗で見かける

色の見分け方のポイント

実物を見ると、似た色で迷うことがあります。特に注意が必要な組み合わせを挙げます。

  • 茶と赤と橙:茶色は暗めの赤茶、赤ははっきりした赤、橙はオレンジ色。明るさの順で見分ける
  • 青と紫:青は空色に近く、紫はやや赤みがかっている
  • 灰と銀:灰色はマットな灰色、銀は金属光沢がある
  • 黄と金:黄色はマットで明るく、金は金属光沢がある

迷ったときは自然光の下で確認するのがベストです。蛍光灯やLED照明の下では色が変わって見えることがあります。ルーペや拡大鏡があると細かい色帯の判別が楽になります。

また、新品の抵抗であればパッケージや袋に抵抗値が印刷されていることがほとんどです。最初に仕分けしておくと、後からカラーコードを読む手間が省けます。抵抗をまとめて購入した場合は、値ごとに小さなジッパー袋や仕切りケースに分けて保管するのがおすすめです。

4バンド抵抗の読み方

4バンド抵抗は最も一般的なタイプです。電子工作で使うカーボン抵抗のほとんどがこの形式です。読み方を3ステップで解説します。

ステップ1:向きを決める

抵抗器を手に取ったら、まず向きを決めます。色帯が左に寄っている側を左にします。最後の帯(許容差帯)は少し離れていることが多いので、間隔が広い方を右側にしてください。金色や銀色の帯が見えたら、それが許容差帯なので右端に配置します。

ステップ2:色を読み取る

左から順番に4本の帯の色を確認します。

  • 第1帯:有効数字の十の位
  • 第2帯:有効数字の一の位
  • 第3帯:乗数(10の何乗か)
  • 第4帯:許容差

ステップ3:値を計算する

第1帯と第2帯で2桁の数字を作り、第3帯の乗数をかけます。

計算式:(第1帯の数字 × 10 + 第2帯の数字)× 乗数 = 抵抗値

具体例1:220Ω(赤赤茶金)

意味
第1帯 2
第2帯 2
第3帯 ×10
第4帯 ±5%

計算:22 × 10 = 220Ω(許容差±5%)

220ΩはLEDの電流制限抵抗としてもっともよく使う値の一つです。5V電源で標準的な赤色LED(順電圧約2V、推奨電流約20mA)を点灯させるとき、(5V - 2V) ÷ 20mA = 150Ω以上の抵抗が必要で、E24系列から220Ωを選ぶケースが多いのです。赤赤茶金は頻出パターンなので、丸ごと覚えてしまうのがおすすめです。

具体例2:4.7kΩ(黄紫赤金)

意味
第1帯 4
第2帯 7
第3帯 ×100
第4帯 ±5%

計算:47 × 100 = 4,700Ω = 4.7kΩ(許容差±5%)

4.7kΩはプルアップ抵抗やセンサー回路でよく使われます。黄と紫の組み合わせは独特なので、印象に残りやすいかもしれません。

具体例3:100kΩ(茶黒黄金)

意味
第1帯 1
第2帯 0
第3帯 ×10,000
第4帯 ±5%

計算:10 × 10,000 = 100,000Ω = 100kΩ(許容差±5%)

100kΩは分圧回路やフィルター回路に登場する値です。茶黒の組み合わせに乗数帯の色を変えると、1kΩ(茶黒赤金)、10kΩ(茶黒橙金)、1MΩ(茶黒緑金)と簡単に読み分けられます。

5バンド抵抗の読み方

5バンド抵抗は、4バンドよりも高精度な金属皮膜抵抗に多く見られます。有効数字が3桁になるため、より細かい値を表現できます。

4バンドとの違い

4バンドとの最大の違いは、有効数字が2桁から3桁に増えることです。

  • 第1帯:有効数字の百の位
  • 第2帯:有効数字の十の位
  • 第3帯:有効数字の一の位
  • 第4帯:乗数
  • 第5帯:許容差

計算式:(第1帯 × 100 + 第2帯 × 10 + 第3帯)× 乗数 = 抵抗値

5バンド抵抗の許容差帯は茶色(±1%)や赤色(±2%)であることが多いです。金色や銀色の帯が最後にあれば4バンド、茶色や赤色の帯が最後にあれば5バンドと判断できます。

具体例1:4.7kΩ(黄紫黒茶茶)

意味
第1帯 4
第2帯 7
第3帯 0
第4帯 ×10
第5帯 ±1%

計算:470 × 10 = 4,700Ω = 4.7kΩ(許容差±1%)

同じ4.7kΩでも、4バンド(黄紫赤金、±5%)と5バンド(黄紫黒茶茶、±1%)で色の組み合わせが異なります。5バンドの方が精度が高い分、価格もやや高くなります。

具体例2:2.21kΩ(赤赤茶茶茶)

意味
第1帯 2
第2帯 2
第3帯 1
第4帯 ×10
第5帯 ±1%

計算:221 × 10 = 2,210Ω = 2.21kΩ(許容差±1%)

2.21kΩのような半端な値は、5バンド(3桁の有効数字)でなければ表現できません。E96系列の精密抵抗で使われる値です。

6バンド抵抗の読み方

6バンド抵抗は、5バンドに「温度係数」の帯が追加されたものです。温度変化による抵抗値の変動を示す情報が加わります。

6本目の帯:温度係数

6本目の帯は、温度が1℃変化したときに抵抗値がどれだけ変動するかを「ppm/℃」で表します。

温度係数
100 ppm/℃
50 ppm/℃
15 ppm/℃
25 ppm/℃
10 ppm/℃
5 ppm/℃

たとえば、温度係数が100ppm/℃の1kΩ抵抗の場合、温度が25℃から35℃に上昇すると、抵抗値は最大で1,000 × 100 × 10 ÷ 1,000,000 = 1Ω変化する可能性があります。つまり1kΩが1,001Ωになるかもしれないということです。

電子工作の趣味レベルでは、この程度の温度変動は無視できるため、6バンド抵抗を意識する場面はほとんどありません。精密な計測回路や温度補償回路を設計する際に重要になる仕様です。もし6バンド抵抗を見かけた場合は、最初の5バンドを通常の5バンド抵抗と同じように読み、6本目は温度係数として把握しておけば十分です。

語呂合わせで覚える方法

カラーコードの色と数字の対応を覚えるには、語呂合わせが定番です。いくつかの覚え方を紹介します。

定番の語呂合わせ

最もよく知られている語呂合わせは以下のものです。

数字 語呂合わせ
0 い礼服(れいふく → れい → 0)
1 を一杯(いっぱい → 1)
2 いニンジン(ニ → 2)
3 のサンダル(サン → 3)
4 色い信号(シ → 4)
5 のゴーヤ(ゴ → 5)
6 い蟹の甲羅(ろく → 6)
7 式部(シチ → 7)
8 色のハチ(ハチ → 8)
9 いクジラ(ク → 9)

頭文字で覚える方法

色の頭文字を並べて文にする方法もあります。

「くちゃあだきみあむはし」(黒茶赤橙黄緑青紫灰白)

語呂としてはやや強引ですが、リズムで唱えると意外に覚えられます。筆者の場合は、最初の3つ「黒(0)・茶(1)・赤(2)」と、よく使う色をセットで覚える方法が一番早かったです。

実践的な覚え方のコツ

語呂合わせだけに頼るよりも、以下のアプローチが効果的です。

  1. よく使う5本を先に覚える:220Ω、1kΩ、4.7kΩ、10kΩ、100kΩのカラーコードを丸暗記する
  2. パターンで覚える:茶黒+乗数で「10の倍数系列」(1kΩ、10kΩ、100kΩ)が作れると気づく
  3. 実物を見ながら覚える:抵抗セットを買って、実際に色を見ながら値を確認する繰り返し
  4. テスターで答え合わせ:読み取った値をテスターで確認すると、正解のフィードバックが得られて記憶に残りやすい

経験上、20〜30本も読めば主要な色は自然と覚えます。最初から完璧を目指す必要はありません。

筆者の個人的な体験としては、Arduinoで最初のLED点滅回路を作ったときに220Ω(赤赤茶金)を覚え、次にスイッチ回路で10kΩ(茶黒橙金)のプルアップ抵抗を使って覚え、その後I2C通信で4.7kΩ(黄紫赤金)を使って覚える、という具合でした。プロジェクトごとに1つずつ覚えていくのが、最も自然で忘れにくい方法です。

よく使う抵抗値の早見表

電子工作で頻繁に登場する抵抗値を一覧表にまとめました。この10種類を覚えておけば、多くの回路に対応できます。

抵抗値 カラーコード(4バンド) 主な用途
100Ω 茶黒茶金 LED電流制限(高輝度LED向け)
220Ω 赤赤茶金 LED電流制限(標準的な赤色LED)
330Ω 橙橙茶金 LED電流制限
470Ω 黄紫茶金 LED電流制限
1kΩ 茶黒赤金 汎用、信号のプルダウン
2.2kΩ 赤赤赤金 トランジスタのベース抵抗
4.7kΩ 黄紫赤金 I2Cプルアップ
10kΩ 茶黒橙金 プルアップ・プルダウン、分圧
47kΩ 黄紫橙金 フィルター回路
100kΩ 茶黒黄金 高インピーダンス回路、分圧

この表をプリントアウトして作業机に貼っておくと、作業がスムーズになります。

表を見るとパターンに気づくでしょう。茶黒+乗数帯の組み合わせで、1kΩ(茶黒赤金)・10kΩ(茶黒橙金)・100kΩ(茶黒黄金)が作れます。乗数帯が1つ上がるだけで桁が変わるのです。同じように、赤赤+乗数帯で220Ω(赤赤茶金)・2.2kΩ(赤赤赤金)・22kΩ(赤赤橙金)となります。このパターンを理解すると、知らない値でもすぐに読めるようになります。

カラーコードを自動で読み取りたい方は抵抗カラーコード解読ツールをお使いください。

E24系列とは?

抵抗値のラインナップを見ていると、「なぜ4.7kΩはあるのに4.8kΩはないのか?」と不思議に思うかもしれません。これにはE系列という規格が関係しています。

E系列の考え方

抵抗値は等比数列に基づいて決められています。E24系列では、1から10までの間を24等分した値が標準値として定められています。具体的には次の24個の数値が基本です。

1.0, 1.1, 1.2, 1.3, 1.5, 1.6, 1.8, 2.0, 2.2, 2.4, 2.7, 3.0, 3.3, 3.6, 3.9, 4.3, 4.7, 5.1, 5.6, 6.2, 6.8, 7.5, 8.2, 9.1

これらの値に10の累乗(×1, ×10, ×100, ×1k, ×10k ...)をかけた値がすべての標準抵抗値になります。たとえば4.7に対しては、4.7Ω、47Ω、470Ω、4.7kΩ、47kΩ、470kΩ、4.7MΩといった値が存在します。

なぜ等比数列なのか

等比数列を使う理由は、どの値の間でも「隣の値との比率」が一定になるからです。E24系列の場合、隣り合う値の比率は約1.1(24乗根の10 ≈ 1.101)です。

これにより、どの値域でも同じ精度で値を選べます。たとえば100Ω付近で10Ω刻みにすると、1MΩ付近では選択肢が粗すぎます。等比数列なら、100Ω付近では100→110→120、1MΩ付近では1M→1.1M→1.2Mと、比率で均一な選択肢が得られるのです。

他のE系列

許容差に応じて、E系列にはいくつかの種類があります。

系列 分割数 許容差 用途
E6 6 ±20% 古い規格、現在はあまり使われない
E12 12 ±10% 汎用カーボン抵抗
E24 24 ±5% 最も一般的
E48 48 ±2% 金属皮膜抵抗
E96 96 ±1% 高精度金属皮膜抵抗
E192 192 ±0.5%以下 超高精度抵抗

電子工作で主に使うのはE24系列です。許容差±5%の金帯抵抗を使っている場合、抵抗値はE24系列の中から選ばれています。回路設計で「必要な抵抗値がない」と思ったら、E24系列の中で最も近い値を選ぶのが基本です。

実際の回路設計でのE24系列の使い方

たとえば、計算上333Ωの抵抗が必要な場合を考えてみましょう。E24系列には333Ωという値は存在しません。最も近い値は330Ω(橙橙茶金)です。±5%の誤差を考えると、330Ωでも314Ω〜347Ωの範囲になり得るため、333Ωは許容差の範囲内に入っています。このように、多くの場合はE24系列の中から近い値を選べば問題ありません。

ただし、精密な値が必要な場合は、複数の抵抗を直列・並列に接続して目的の値を作る方法もあります。たとえば330Ωと3.3Ωを直列にすれば333.3Ωが得られます。

読み方の向きを判断するコツ

カラーコードを読むうえで最も間違いやすいのが「どちらから読むか」です。逆から読むと全く違う値になってしまうので、向きの判断は重要です。

方法1:許容差帯を探す

最も確実な方法です。金色や銀色の帯は許容差帯なので、それが右端にくるように持ちます。

  • 金色の帯が見えたら → その帯を右端にする
  • 銀色の帯が見えたら → その帯を右端にする

金属光沢のある帯は許容差帯です。数字を表す帯にはマットな色しか使わないので、光沢で判断できます。

方法2:間隔を見る

色帯の間隔にも注目します。多くの抵抗器では、許容差帯だけ他の帯から少し離れた位置に配置されています。帯と帯の間隔が広い方を右側にします。

方法3:色の妥当性で判断する

向きを間違えた場合、第1帯が金色や銀色になったり、存在しない値になったりします。

たとえば「金・茶・黒・赤」と読めたら、金色が第1帯なのは不自然です。ひっくり返して「赤・黒・茶・金」= 200Ωと読むのが正解です。

方法4:色の組み合わせから推測する

慣れてくると、色の組み合わせからE24系列の値を予測できるようになります。たとえば第1帯と第2帯が「36」「48」「57」のような組み合わせはE24系列に存在しないので、向きが逆だと判断できます。

実際の作業では方法1(許容差帯を探す)で判断し、不安なときは方法3(妥当性チェック)で確認する、という流れが確実です。

よくある間違いの例

実際に筆者が経験した間違いを紹介します。茶黒橙金(10kΩ)の抵抗を逆に読んで、金橙黒茶と解釈してしまったことがあります。金が第1帯になるのは不自然なので、すぐに間違いに気づけました。しかし、色が対称的に見える組み合わせ(たとえば茶黒黒茶のような並び)では、向きを間違えても気づきにくいことがあります。

このような場合は、テスターで実測するのが最も確実な方法です。次のセクションで、テスターを使った確認方法を詳しく説明します。

テスターで実測して確認する方法

カラーコードで読み取った値が正しいかどうか、テスター(マルチメーター)で確認する習慣をつけると安心です。特に重要な回路では、必ず実測することをおすすめします。

テスターでの抵抗測定手順

  1. テスターのダイヤルを抵抗測定(Ω)モードに合わせる
  2. テストリードを「COM」端子と「VΩ」端子に差し込む
  3. 2本のテストリードの先端を、抵抗器の両方のリード線に当てる
  4. 表示された値を読み取る

測定時の注意点

  • 手で触れない:抵抗器のリード線を手で持ちながら測定すると、体の抵抗が並列に入ってしまい、実際より低い値が表示されます。ワニ口クリップ付きのテストリードを使うか、抵抗器をブレッドボードに挿して測定しましょう
  • レンジ選択:オートレンジのテスターなら自動で適切なレンジが選ばれます。マニュアルレンジの場合は、予想される値より1段階大きいレンジを選びます
  • 安定を待つ:表示が安定するまで数秒待ちます。値がふらつく場合は接触不良の可能性があります

許容差の確認

テスターの値がカラーコードの値とぴったり一致しなくても、許容差の範囲内であれば問題ありません。

たとえば、4.7kΩ(±5%)の抵抗の場合は次の範囲に入っていれば正常です。

  • 下限:4,700 × 0.95 = 4,465Ω
  • 上限:4,700 × 1.05 = 4,935Ω

テスターで4,580Ωと表示されても、許容差の範囲内なので正常な抵抗です。大幅にずれている場合(例:3,000Ωや7,000Ω)は、カラーコードの読み間違いか、抵抗の劣化・損傷が考えられます。

よくある測定の疑問

Q:回路に組み込んだまま測定できますか?

原則として、抵抗値を正確に測るには回路から取り外して測定する必要があります。回路内に他の部品が並列に接続されていると、合成抵抗として低い値が表示されてしまうためです。ただし、大まかな確認であれば回路に組み込んだまま測定しても参考にはなります。

Q:テスターの精度はどのくらいですか?

一般的なデジタルマルチメーターの抵抗測定精度は±0.5%〜±1%程度です。抵抗自体の許容差(±5%など)に比べて十分な精度があるので、カラーコードの値と比較するには問題ありません。

テスターは抵抗値の確認だけでなく、回路のデバッグにも必須の工具です。電圧測定、導通チェック、ダイオードテストなど多機能で使えます。まだ持っていない方は、デジタルマルチメーターを1台用意しておくと電子工作が格段にはかどります。

カラーコードが読めないケース

実際の作業では、カラーコードがうまく読めない場面に遭遇することがあります。よくあるケースと対処法をまとめました。

色あせ・退色

長期間使用された抵抗や、高温環境にさらされた抵抗は、色が褪せて判別しにくくなることがあります。特に橙と赤、茶と赤の区別がつきにくくなるケースが多いです。

対処法:テスターで実測するのが最も確実です。色の判別に自信がない場合は、迷わずテスターを使いましょう。

焦げ・焼損

過電流や過電圧で抵抗が焦げてしまうと、カラーコードが完全に読めなくなることがあります。抵抗本体が黒くなっていたり、膨らんでいたりする場合は、損傷した抵抗です。

対処法:損傷した抵抗は使用しないでください。テスターで測定しても正しい値を示さない可能性があります。回路図から本来の抵抗値を確認し、新しい抵抗に交換しましょう。

チップ抵抗(表面実装型)

チップ抵抗にはカラーコードがありません。代わりに数字が印字されています。

印字 意味 抵抗値
101 10 × 10¹ 100Ω
102 10 × 10² 1kΩ
103 10 × 10³ 10kΩ
472 47 × 10² 4.7kΩ
4R7 4.7 4.7Ω
0R1 0.1 0.1Ω

3桁の数字の場合、最初の2桁が有効数字、最後の1桁が乗数(10の何乗か)を表します。「R」が含まれる場合は、Rが小数点の位置を示します。

4桁表記のチップ抵抗もあります(E96系列対応)。たとえば「4701」は470 × 10¹ = 4,700Ω = 4.7kΩです。

色覚に個人差がある場合

色の識別が難しい方もいます。赤と緑の区別がつきにくい場合や、茶と橙の見分けが難しい場合でも、電子工作を楽しむことは十分にできます。

対処法:テスターでの実測を基本にするのが最も確実です。スマートフォンのカメラアプリで色を判定する方法もあります。抵抗のカラーコードを読み取る専用アプリもApp StoreやGoogle Playで公開されていますので、活用してみてください。また、抵抗を購入した際にすぐに仕分けしてラベルを貼っておくと、後から色を読む必要がなくなります。

古い基板から取り外した抵抗

古いラジオやテレビの基板から取り外した抵抗は、色あせに加えて、当時の色の基準が現在と若干異なる場合があります。特に1960年代以前の部品では、橙色がかなり赤っぽかったり、緑が青みがかっていたりすることがあります。このような部品はテスターで必ず実測してから使いましょう。

まとめ

抵抗のカラーコードは、一見すると複雑に思えますが、仕組みはシンプルです。色と数字の対応を覚え、読み取りの手順を身につければ、数秒で抵抗値を判読できるようになります。

この記事のポイントを振り返ります。

  • 基本は「色=数字」の対応:黒(0)から白(9)まで、10色の対応を覚えるのがすべての基本
  • 4バンドが基本:第1帯と第2帯で2桁の数字を作り、第3帯の乗数をかける
  • 5バンドは高精度版:有効数字が3桁になり、より細かい値を表現できる
  • 向きの判断は許容差帯で:金色・銀色の帯を右端にする
  • 迷ったらテスターで実測:確実に正しい値がわかる

まずはよく使う5つの値(220Ω、1kΩ、4.7kΩ、10kΩ、100kΩ)のカラーコードから覚えていきましょう。実際に回路を作りながら触れていけば、自然と読めるようになります。

カラーコードの読み取りは、電子工作のスキルの中でも基礎中の基礎です。しかし、これができるようになると「部品を見ただけで回路の動作が推測できる」というレベルに近づきます。たとえば、基板上の抵抗のカラーコードを読んで「ここに10kΩがあるからプルアップだな」「220ΩだからLEDの電流制限をしているのだな」と回路を理解できるようになるのです。ぜひこの記事を参考に、カラーコードの読み取りをマスターしてください。

抵抗カラーコード解読ツールで色を選ぶだけで抵抗値がわかります。逆引きも可能です。

抵抗値の使い方を学ぶならLED回路の作り方入門がおすすめです。

オームの法則計算ツールも合わせて活用しましょう。

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